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イマイのコラム
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日本の美術館
2012/05/21
2012年5月21日号の「日経ビジネス」に、蓑豊さんの記事が載っていました。この人の名前は知らなかったのですが、金沢21世紀美術館の初代館長と文中にあったので読んでみました。

「日本の美術館の奇異さに立ちすくんだ。室内が静かすぎる。入館者は襟を正した紳士淑女ばかり。足音さえ気にしている風だ。第一、子どもの姿が見えない」…という事で、大阪市立美術館にフェルメールの絵画を集め、休館日の月曜日に子どもだけが入場できるようにして、子ども達をターゲットにした展覧会を開いたそうです。子どもに気に入ってもらえれば、休日に親が見に来る。又、子どもが大きくなった時には、その子どもを美術館に連れてくるようになるだろうとの思いで、美術館を子どもの集まる場所にしたかったのだそうです。

欧米の美術館では、家庭や学校の授業で訪れる子ども達が来客の核となり、展示物をスケッチブックに模写しているそうです。生きた教育現場として、美術館が日常的に使われているのですね。日本でもそのような文化を育てたいとの思いがやっと形になり、大阪でも金沢でも成功を収めています。

美術館に人が集まるようになると、その町が活気づき景気が良くなる…都市再生の道が開けるという事がわかりました。しかし、単に箱ものとしての美術館を建設しても無意味です。「何のために」「誰をターゲットにしたものを」という観点がなければ、何をやっても無駄になってしまうと思います。

確かに日本の美術館や博物館は敷居が高いです。高尚な趣味で、意識の高い(見る目がある)人だけのための場所のような気がします。しかしながら、特別企画展などで子ども達がワイワイガヤガヤしている様子を見ると、「この子ども達が大きくなった時には、美術館や博物館が特別な場所ではなくなっているのかな?」とも思います。