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イマイのコラム
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消費税の駆け込み需要
2014/03/11
お客様から「3月中に購入しておけば5%の消費税で済むので、いっぱい買ってストックしておけばいいね」との質問を受けました。他の方も勘違いしている人が多いので説明致します。

結論としては…消費税の計算を「原則課税」で行なっている人は、5%でも8%でも損や得はないです。消費税を「簡易課税」で行なっている事業者や納税を免除されている事業者は、支出額が少ない5%のうちに買っておいた方が得です。もちろん消費者は安く買えた方が得です。

まず「原則課税」の計算方法ですが、これは「売上にかかる消費税(預かり消費税)」から、「仕入れや経費にかかった消費税(仮払い消費税)」を差し引いた残りを税務署に納めます。例えば、700円の商品を仕入先から購入して1000円で販売した場合…
「5%時代」
35円の消費税を仕入先に払って、50円の消費税を売上先から預かりますので、納税は15円です。

「8%時代」
56円の消費税を仕入先に払って、80円の消費税を売上先から預かりますので、納税は24円です。

「5%時代に買って8%時代に売った場合」
35円の消費税を仕入先に払って、80円の消費税を売上先から預かりますので、納税は45円です。
…結果、利益は300円で変わらず、たくさん預かった消費税は税務署に納めますので、損や得はないという事になります。

では、いつの時点で消費税が変わるのか…これはみなさんご存じの通り、今年の4月1日です。3月31日の夜中11時59分から4月1日の0時になる時に変わります。そうすると、その時間をまたぐサービスはどうなるのでしょうか?この時間をまたいで電話をかけた場合とか、タクシーに乗っている場合とか…。

こちらは事業者でルールをつくれば良いようです。電話の場合には、掛けた時間が31日なら5%で良いとか、終わった時間が1日なら8%になるとか、事業者のルールで統一すれば良いようです。タクシーの場合にはメータの設定が必要なので、夜中中走った車が車庫に帰るまでは5%で、その後出発してから初めて8%になるようなルールでもOKです。

ただし、原則は「資産の譲渡及び貸付け又は役務の提供のあった時」がいつになるかが問題ですので、「引き渡したのがいつか」「サービスを行なったのがいつか」ということが大事になります。請求書に5%と書いたから5%という事ではありません。

私が面白いと思ったのは、通信販売です。原則として3月31日までに発送した分は5%で、4月1日以降に発送した分は8%になるようです。本来ならば「引き渡したのがいつか」が問題ですので、お客様に届いた日をもって譲渡が完了したと見るべきですが、日本の場合には荷物が紛失する事がほとんどないので、発送した日で譲渡が完了したと見る事ができるようです。諸外国では考えられないルールかもしれません。