9月1日付の朝日新聞朝刊に「ネット火種 5000人デモ」という記事が載っていました。内容はフジテレビに対して日の丸を掲げたデモ隊が集結したとの事でしたが、韓国ドラマばかり放送するテレビ局に対して「売国的」「偏向している」との主張を行ったようです。

この記事で注目されるのは、デモ隊を結成するきっかけがネットだったという事です。2ちゃんねるの「大規模off板」という掲示板において呼びかけられて、多数の人が集まったようです。

エジプトをはじめとする民主化運動なども、facebookやツイッターなどインターネットで呼びかけられた人々が集まり、大規模な民主化運動に発展していきました。日本においては、小さな不満がたくさんあっても政府を倒すような大きな運動に発展する事はないと思いますが、それでも5千人規模のデモ隊を結成できるほどの力をネットは持っている事を証明しました。ネット上での仮想の名前で呼び合い、昨日までは会った事のない、本当の名前も知らない人々と共にデモ隊を組織する事が日本でもできるとは驚きです。

記事では「抗議が目的なのか、ただリアルな充実感を得たいだけなのか」としています。韓国の事が本当に嫌いな人や愛国心に燃えている人、マスコミが偏向していると憤慨している人など、デモに参加している人でも主義主張が違っている事もあるでしょう。又、ネットで呼びかけられる事で集まれる「リアルさ」を求めて参加した人もいると思います。

今までの組織化されたデモと違い、ネットでの呼びかけで集まるデモ隊は参加者の意識レベルの違いがあると思います。そのため脆さや危うさもありますが、逆に大きな可能性もあると考えます。ただし、後進国に比べて政治的・経済的な圧力が小さな日本においては、どのような目的で集まり、継続的な組織にしていけるかどうかが鍵になると思います。