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パラダイス文書と租税回避を考える
2017/11/14
「パラダイス文書」なる文書流出問題で、経済界が揺れています。「パナマ文書」と同じく弁護士事務所から流出した文書によって、タックスヘイブンを利用した「租税回避」が見つかっています。その文書を解読し分析することによって「租税回避」の手法が明らかになるようですが、分析には時間がかかるようです。

そもそも「租税回避」はいけないことなのでしょうか?「脱税」ではありません。脱税は法律に反した行為によって税金を少なくしようとするものですから違法行為です。「節税」は法律に則した方法によって税金を少なくしようとするものですから、適法であり問題はありません。

「租税回避」は、法律が予定していない方法により税金を少なくしようとするものですから、違法でもなく適法でもなくいわば脱法でしょう。法律の穴を見つけて、その抜け道から経済行為を行うことによって税金を逃れるものです。税金逃れだから、法律を修正してその穴をふさぐのですが、法律の修正には時間がかかります。法律が修正される前に、早く手を打った人だけが得をする形になります。

「租税回避」を行う人々はお金持ちです。だから庶民から「不公平」だという反感があります。億単位のお金を動かせる人は、税金を負担する能力が高いはずです。年収500万円の人と年収1億円の人では、100万円の価値が全然違います。「年収が高い人から高い税金を取ってほしい」「庶民から1万円ずつ集めるより金持ちから100万円取ってほしい」…そう思うのが一般的な庶民だと思います。

お金持ちは自分のお金を大事にしたいから、少しでも税金が安くなる方策を探っています。少しでも税金を安くする方策が見つかれば、それが違法でなければ乗っかる人は多いと思います。「租税回避」は違法ではありません。「課税庁が気が付いていない枠組みを利用するだけで、税金を安くするのがなぜ悪いんだ」…そう思うのが、お金持ちの気持ちなんでしょう。

「知っている人だけが得をする」というのも不公平感が高まります。だけど、「租税回避」を罰する規定はありません。なぜなら違法でないから…。問題がある方法であれば、立法によって阻止せざるを得ません。課税庁が早期に手を打てるような方策が必要だと思います。