今年は大震災があり日本全体の気持ちが揺さぶられ、今までの価値観を崩壊させ新たな価値観を見いだした人がたくさんありました。大震災によってサプライチェーンの弱点が露出したと共に、タイの大洪水によって再度打撃を受けてしまいました。効率的な経営とリスク分散との折り合いをどのように行なうかが、経営の緊急課題として浮かび上がりました。

中国やインドなどの経済発展と共に、ベトナム、インドネシア、フィリピンなども人的資源の活用で大きくクローズアップされてきました。ドル安やユーロ安に表されるように、先進国の問題が表面化すると共に先進国の実体経済が弱体化し、世界をリードする国がどこなのか大きく変ろうとしています。

中小企業にとっては、今日の仕事、明日の仕事が大きな問題です。自分の立っている位置がどこなのか、このままで良いのかを自問自答しながら、自分の信じた道を進むしかありません。「世界経済が不況だから」「震災後に仕事がないから」とあきらめられる状況ではないと思います。

自分の目指す方向を常に向いていられるように長期的な計画が必要ですが、日頃の忙しさの中でゆっくり考える事ができていないと思います。お正月こそ、ゆっくり考える時間に充てる事ができるチャンスです。経営理念や経営計画といった大きな題目でなくとも、自分が何を目指すのか、そのために5年後10年後にどうしていたいのか、そのためにこの1年はどのように過ごすべきなのか…といった事を考える時間を取りたいと思います。

「朝は希望に起き、昼は努力に生き、夜は感謝に眠る」…1日の動きを表した言葉ですが、1年を振り返る事もできる言葉だと思います。今ある事に感謝の念を忘れずに…今年も1年、ありがとうございました。