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イマイのコラム
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消費税納付額が、とんでもない事に!
2014/05/29
消費税が8%になって、消費者としての立場から「えらいことになったなー」って感じてますが、事業者の立場でも「えらいこった」と今さらながら感じています。3月決算が終わり、来年の消費税納付額を試算してみました。年間1,200万円を納税していた事業者の場合、来年の納付額は単純計算で1,920万円となります。これは、5%で割って8%でかけてやれば計算できます。単純に1.6倍になる事になります。

ここまでは想定内ですが、消費税の場合には中間納付という制度があります。年間税額が60万円から500万円の場合には半年に1回、昨年の税額の半分を納めます。年税額が500万円から6,000万円の場合には3ヶ月に1回の納付になります。(正確には、消費税の国税部分が年間48万円、400万円という区切りです。)

先ほどの年間1,200万円の納税額の会社の場合、3ヶ月ごとに300万円ずつ中間納税をして、最後に確定申告で差額を支払います。そうすると年税額が1,920万円に増額しているのに、中間納付額は900万円、差額の1,020万円を決算時期に支払わなくてはなりません。

今まで通り、決算では300万円くらい払えばよいのかと心づもりしていると、なんと1,020万円の納付書が手元に来てしまいます。いくら消費税が8%に上がったといっても、こんなにも多額になるとは想像していないと思います。

中間納付額が少なすぎるのが今回の問題点ですが、資金繰りの観点からは「早めに払っておきましょう」なんて事は言えませんので、仕方のない事だと思います。昨年と全く同じ状況の場合は「今年はいくら払わなければならないのか」、あるいは今年と全く同じ状況の場合は「来年はいくら払わなければならないのか」といった相談をしてみる事が必要だと思います。

…ここからはマニアックな話です。消費税の中間納税の正確な計算は次のようになります。(年3回の場合)
前年納税実績額×4÷5=国税分
国税分÷12×3=国税分の中間納付額
国税分の中間納付額×17÷63=地方税分の中間納付額
国税分の中間納付額+地方税分の中間納付額=中間納付額
すなわち、前述の年税額1,200万円の会社の場合は、
1,200万円×4÷5=960万円
960万円÷12×3=240万円(国税分の中間納付額)
240万円×17÷63=647,619→647,600(百円未満切り捨て)(地方税分)
中間納付額合計 240万円+647,600円=3,047,600円
これを年3回支払いますので中間納付額の合計は9,142,800円で、決算時に払う消費税は、1,920万円−9,142,800円=約1,000万円となります。地方消費税のみ8%に対応させるために、微妙に前述の1,020万円の納付額とは違ってきますが、なぜ地方消費税のみ8%相当の計算をするのか不思議です。算式の中の「16÷63」というのが地方消費税の8%対応になるのですが、この数字については次のチャンスで…。