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イマイのコラム
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中国の食品工場
2014/07/28
中国の食品工場での不衛生な実態が明らかになり、マクドナルドやファミリーマートが大きな損害を被りました。大半の日本人が「またか」という気持ちになって「中国産のものは買わない、食べない」なんて事を考えていると思いますが、レストランで食べられるものとかスーパーやコンビニで売られている総菜など「どこが原産か」なんてわからないものがほとんどだと思います。

自分や自分の家族に食べさせられないような食品を作っている工場は大問題ですが、農家が作る作物でも出荷用と自分用では作り方が違うなんて事も起こっています。見た目や効率を最優先し、安さや利益を最優先する生産者、販売者、消費者の責任でもあります。これは中国でなくても、日本を含めたどこの国でも起こりうる問題です。雪印乳業の問題もありましたし、船場吉兆の問題もありましたし、日本だから大丈夫なんて事はありません。

ここで今回の中国の事件を違う方向から見ますと…中国メディアが潜入取材でこの事件をスクープしたこと自体が中国の大きな進展だと言えるのではないでしょうか?工場内のブラックボックスで行われている事を告発するためには、従業員のモラルの向上とそれを訴える事のできるシステムが重要です。

私の推測ですが、工場での不正をテレビ局に告発したモラルの高い従業員がおり、それをテレビ局が消費者目線で取り上げる事ができたという実態がスゴイと思います。中国のテレビ局は(社会主義国である事も足かせとなり)体制側に都合の良い事しか取り上げる事ができなかったと想像しますが、今回は会社を守る事を優先させずスクープとして取り上げる事ができました。

このような状態が続けばモラル向上がより進み、健全な工場が増えていくのではないかと期待できます。今でもタイやベトナムに工場が移ってきているので、中国の工場が生き延びるためには「安かろう悪かろう」ではなく「安くても良いもの」へシフトしなければなりません。日本のメディアの中には「毒ギョーザ事件」と同一に並べているような報道もありましたが、あれは待遇の劣悪さを悲観しての報復措置であり「アグリフーズ」の問題と全く同じです。これも中国だけの問題ではありません。

今回の問題は会社ぐるみの不正であり、トップから末端の従業員まで全ての従業員が知り得た不正だと考えられ、より大きな問題だと思います。