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イマイのコラム
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多数決は民主的か
2015/07/14
朝日新聞の「文化・文芸」欄に「多数決 本当に民主的?」という記事が載っていました。その中で慶応大学の坂井豊貴教授のコメントに賛同しました。
例えば有権者21人がA、B、Cの政策のどれかに投票するとする。結果はAが8票、Bが7票、Cが6票。多数決ならAが集団を代表する意見になる。
確かに、現在の国会議員選挙は小選挙区制で一つの選挙区から一人しか当選できない。そうなると、上記のように死に票が多くなっている。又、民主党が政権を取った時のようにAかBの選択になり、少数の意見が反映されなくなってしまいます。
だが、Aに投票しなかった全員が「Aだけは嫌だ」と考えていたとする。Aの否定派が13人と過半数なのに、採用されるのはAだ。全員から2番目に支持されても、1票にもならない。「だから多数決で勝つためには、万人に配慮してはいけない。誰かをたたいて対立構図を作った方がいい。
その通りだと思います。市長選挙などの小さい選挙の場合には、3人以上の候補者が出ると、当選者の票数と落選者全員の票数の合計数を比べた時に落選者の票数の方が多いことはよくあることです。決選投票を行うと違う結果になるのではないかと思う選挙がたくさんあります。
飲むのは水か、ウォッカか選べというようなものです。ビールやお茶がほしい人も、どちらかしか選ぶことができません。
すごくいい表現だと思います。こうなると、多数決は民主主義を表していないことになります。自由を選ぶことができないからです。選挙結果が多数者の意見を反映しているとはいえません。同じ記事の中にジャーナリストの鎌田慧さんの次のようなコメントも載っています。
少数意見を最終的に排除するのはやむを得ない、という誤った民主主義観。
民主主義の上では少数者の意見も大事にすることが大切であることは理解できますが、では、その方法はというと非常に難しい問題となってきます。少数者を大事にしない社会であるとすると自分が少数者の立場に立たされた時にどうなってしまうのだろう、という想像力を働かせることが大切だと思います。

なにはともあれ、「選挙で大きく勝った政権は国民の信認を受けているのだから、世論調査の結果はどうであれ勝手に物事を進めてもいい」というのは間違っていると思います。