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イマイのコラム
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復興事業で裏金作り
2020/7/27
7月27日の朝日新聞朝刊に「復興事業で裏金作り」という記事が載りました。要約すると、「大手ゼネコンの幹部が下請け業者から裏金を受け取っていたことが判明した」とのことでした。税務調査で明らかになったようです。

下請け業者が幹部に裏金を渡そうとすれば、工事代金を水増しして請求しているはずです。例えば、1千万円でできる工事を1千200万円で請け負い、200万円を幹部に渡すということになります。ゼネコン本体からすると、できるだけコストダウンを図り利益を上げないといけないにもかかわらずコストがアップしてしまいます。もちろん幹部へは給料も払っています。

そうなると、幹部は会社に対して背任行為を行っていることになり、会社に対する違法行為となります。また、ゼネコンは高いコストで工事を進めざるを得ないので、政府に対して高い請求を行うことになります。結果、税金が無駄に使われている!

昔から、建設業の現場では幹部や現場監督への付け届けが横行しています。法令遵守が叫ばれる中でさすがに少なくなっているイメージではありますが、ゼロにはなりません。下請け業者としては経費として計上することが難しいので、社長の個人的な支出として処理せざるを得ません。

下請け業者の身になって考えてみます。長期的な視点で見ると、法令遵守違反をしているためゼネコンにばれた時点で取引中止となり損失ばかりです。しかし、短期的な感覚で「渡さないと仕事がもらえない」「次の仕事のため」ということになってしまいます。

本来ならば、元請業者と下請け業者はwin-winの関係でなければなりません。また、近江商人の三方良しの考え方から、世間に対しても利益を与えられる事業体でなければなりません。このような報道が多数されることにより「これは犯罪行為なんだ」と知らしめ、今後は利益供与がないようになってほしいものです。