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免税事業者の日本版インボイス制度について
2020/8/26
消費税はすべての事業者が納付することとなっていますが、基準期間のない新設法人や新規開業の個人事業主など一部の事業者は消費税を納める義務が免除されています。また、基準期間における課税売上高が1千万円以下である事業者も、消費税を納める義務が免除されています。

では、この免税事業者は「消費税を受け取っても良いのか」という疑問が生じます。消費税導入当初は「免税事業者であっても仕入れには消費税が含まれているので、売値に消費税を乗せることは当然だ」という論調でした。建設業界などでは元請けが下請けに対して、免税事業者であることを理由に消費税分を支払わないということがないように指導されていました。

この考え方から、現在では課税事業者が免税事業者から仕入れを行った場合にもその仕入れ額に消費税が含まれていると考え、消費税納税額を計算するにあたって免税事業者からの仕入れでもその消費税額を差し引くことができます。

しかし、令和5年10月より日本版インボイス制度が導入され、この考え方が変わります。課税事業者が免税事業者から仕入れを行った場合には、仕入税額が控除できなくなります。(厳密には段階的な運用になります。)

計算方法としては、仕入れに関して課税事業者からの仕入れなのか免税事業者からの仕入れなのかを明確にし、課税事業者からの課税仕入れは税抜処理を行い、免税事業者からの仕入れは税抜処理を行わないことになります。そのために請求書や領収書に課税事業者の番号を記載することになります。

「週刊少年ジャンプ」を例に考えます。大手書籍店A(課税事業者)と個人書籍店B(免税事業者)があったとします。ジャンプはどちらで買っても290円です。A店では、本体264円+消費税26円で290円となります。B店は免税事業者ですので、消費税を受け取ることなく本体価格が290円となります。消費者が購入する場合には、どちらも290円ですので問題はありません。ただ、そうなるとB店では264円で販売することも可能です。今までより利益は減りますが、価格競争力は高まります。本来ならば消費税によって価格競争力に差が出ることはダメなのですが、そのような結果となってしまいます。

また、テナントビルを持っている大家さんはどうなるでしょうか?例えば、月額10万円の事務所を5件持っている大家さんがいるとします。合計50万円×12ヶ月で600万円の年収となりますので免税事業者です。今までは消費税相当額を受け取っていますので1件あたり11万円の収入で年間660万円の収入がありますが、消費税を納める義務はありませんでした。

このままで行くと令和5年10月からは免税事業者であるため10万円に値下げせざるを得ない状況で、年間60万円の減収となってしまいます。このような場合には、課税事業者の選択を行うと共に、簡易課税の選択を行います。消費税を36万円納めることになりますが、60万円の減収より36万円の経費増大の方が得することになります。

結局、自分の売上先が消費者なのか事業者なのかによって、令和5年10月の日本版インボイス制度にどのように対応するかが変わってきます。