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イマイのコラム
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現金紛失
2021/2/3
お客様の事業所で「現金紛失事件」がありました。弊社では何度か同じような事件に遭遇していますが、大別すると「外部犯行」と「内部犯行」に分類することができます。

外部犯行の多くは「事務所荒らし」と呼ばれる「空き巣」です。空き巣に対応するためには、「現金を事務所に置かない」という対処が必要となります。国内のガソリンスタンドや海外のショーウィンドウでは、レジスターが空っぽであることを表すためにレジの引き出しを外から見えるところに置くことがあります。このように、現金を置かないことで被害を少なくすることはできますが、それでも窓ガラスを割られたりドアをこじ開けられたり、物損被害は大きなものになります。

内部犯行の多くは「魔が差した」というものでしょう。目の前に現金が置いてあり、まわりに他の人がいない状況だと「持って行ってもばれないのではないか」と思ってしまいます。私の経験では、現金の管理がルーズであると内部犯行が起きてしまいます。「現金の管理を誰が行うのか」「どのタイミングで銀行に預け入れるか」「毎日の残高を把握しているか」といった、基本的なことができていない場合が多いと思われます。

そのように考えると、犯行を犯した従業員が悪いのは当然ですが、従業員を犯罪者にしてしまった社長の責任も大きいです。きちんとルールを作り、守ることができれば内部犯行は起こらないでしょう。犯行を起こした者は一度ばれないとさらにエスカレートしていきますので、さらなる犯行を生み出さないためには「ルール作り」が大切になってきます。

私が経験した中の1件では、警察への被害届を出した後に警察が全従業員からの聞き込みを行い。その後「返還してもらえば罰は与えない」旨を伝えたところ翌日に返還がありました。そのため被害届の取り下げをした例があります。「これは大変なことになった」と本人は焦ったと思いますが、一度は犯罪を犯してしまったが寛大な処置で本人も助かった例と言えます。

他にも、週に1度や二週に1度、1万円ずつお金が不足する事業所がありました。税務的にも問題ですが法的にも大問題であるため、「どのように現金を管理するか」というルールを徹底することにより解決しました。犯人はわからずじまいでしたが、さらなる犯行を出さないことになった例ではあります。

どのような例でも、社長は従業員を信じたいし、疑いたくないという気持ちが大きいです。自社の従業員を犯罪者にしないためには事前の対策が大切ですし、問題が起こった時には「災い転じて福となす」ことができるような提案をしたいと思います。