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イマイのコラム
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8月に想う
2023/8/9
日本において8月は特別な月だと私は思います。子どもの頃は、夏休みの楽しい思い出や高校球児の熱心さに心を打たれていました。しかし、いつの頃からか私にとって8月は「戦争を考える月」になっています。ヒロシマ・ナガサキの原爆の日から終戦記念日は、新聞やテレビで戦争体験のメッセージがたくさん流れてきます。

学生時代に沖縄で「ひめゆり部隊」の話を体験者から聞く機会がありましたが、同じ時に「がま」に入って暗くて暑くてジメジメした「がま」も体験しました。そして、そこにはまだ回収しきれない遺骨が多数残されていることを知りました。「集団自決」とは何だったのか、また日本軍のいた「がま」と日本軍のいなかった「がま」との違いについても知ることができました。

広島の平和祈念資料館において、写真や実際の服や生活道具などを見ると言葉にできない衝撃を受けます。その時の惨状とその後の何十年と続く苦悩、いわれなき差別など、体験者には思い出したくない記憶でしょうが、私たちにとっては知らなくてはならない事実ばかりです。

「はだしのゲン」が教育現場から消えるという報道がありました。ただし、このマンガが世の中から消えるわけではありません。水木しげるの戦争体験記も実体験からの話で、将来にわたって残っていって欲しいマンガです。私が最近知ったマンガでは「ペリリュー −楽園のゲルニカ−」というものが良かったです。絵柄がかわいいにもかかわらず、厳しい現実とその中でも安らぎを見つける人間の強さを見ることができました。

ウクライナの現状を考えると、過去の話ではなく今でも戦争は起こっていますし、台湾やフィリピンと中国との関係、ミャンマーの軍事クーデターやカンボジアの選挙、タイの政局など日本の近くでも火種がくすぶっています。日本では戦争を実体験として知っている世代が少なくなっていますが、だからといって危険が近づいているとも言えません。私たちは過去を知り、想像力によって戦争を追体験し、戦争は絶対に起こしてはならないと学習しています。

戦争は二度と繰り返してはなりません。これを年に1回だけでも再考できる期間があるのは、大切にしていかないといけないと思います。