ティータックの税務サービス 会社紹介 お客様の声 税務豆知識 よくあるご質問 お問い合わせ `トップページに戻る
 
  1. トップページ
  2. イマイのコラム 2009
  3. 手段と目的の明確化
イマイのコラム
イマイのコラム
手段と目的の明確化
2009/11/24
朝日新聞に「国の電子申請、利用率10%未満が3割運用コスト割高」との記事が掲載されました。要約すると、市民が行政手続きをする際に電子申請にて行う事を国は推進していますが、その利用率が非常に悪く、かつ利用率の高い申請でも運用コストが非常に高いという内容でした。

「電子申請のシステムがありますのでどんどん使って下さい」と国が音頭をとっても、なかなか普及しないのが現実です。何故ならば「非常に使いづらい」からです。何故使いづらいシステムになるのか…これは、利用者からの要望で電子申請が始まったのではなく、国がIT化を進めるために電子申請手続きを導入したからです。

通常、何らかの仕組みを作るためには「手段と目的の明確化」が重要になります。「国のIT化という目的達成のために電子申請システムを作った」という事は、手段の目的化が発生してしまっています。

例えば「住民票を取りたい」という要望に対して、電子申請での交付を可能にするためにはどうしたらよいのでしょうか?平日の昼間に市役所へ行ける人には電子申請の必要がありません。必要とする人にとって使いやすいシステムは「いつでも申請できる」「どこでも受け取る事ができる」という要件が必要です。「申請はインターネットでできますが、受け取りは市役所まで来て下さい」などという電子申請は利用できません。もちろん「なりすまし」や「紛失」などという不正防止策も必要ですが、クレジットカードの利用などで本人確認ができるのではないかと思います。

又、電子申請システムの中には、100%の利用があったと仮定しても運用コストが1件あたり1万円を超えるものがあるそうです。今まで紙で申請していたものが、システムを変えたためにコストが高くなってしまうのも本末転倒です。もちろん、それに関わる人たちが楽になって人件費コストが下がれば良いのですが…。

上記の「手段と目的の明確化」の大切さは、中小企業や零細企業にとっては命取りになるくらい大切な事です。「パソコンを導入したら業務が煩雑になった」「残業が多くなった」などという事が起こらないように気をつけましょう。業務の効率化とIT化はイコールではありません。