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イマイのコラム
イマイのコラム
中国経済
2012/11/07
日経ビジネス11月5日号の巻末に、さわかみファンド 澤上篤人氏のコラムが載っていました。「日中関係と企業−挫折乗り越え、世界企業へ」と題されたコラムの内容を要約すると、次のようなものです。

「尖閣諸島の国有化に対するデモに強い憤りを感じる。このタイミングで国有化する日本政府も問題である。これから10年もしないうちに中国はものすごい勢いで高齢化社会に入っていく。一人っ子政策の影響で、2015年には生産労働人口がピークになると言われている。その先、中国経済がこれまでと同じように高度成長を続けられるのかは、神のみぞ知るところ」と述べ、今後の日本の対応の仕方に言及しています。

私が「ヘー」と思ったのは、来年には生産労働人口がピークになると計算されているというくだりです。一人っ子政策のせいで年齢別の人口分布に歪みがある事は知っていましたが、こんなに早く社会的な歪みが出てくるとは予想していませんでした。生産労働人口がピークでその後下降するとしても、生産性の向上などでカバーできる部分もあるのですぐさま生産力に陰りが出るとは思えませんが、人口分布の歪みは修整できません。一人っ子政策で生まれてきた子どもたちが大人になった現在、産めよ増やせよと呼びかけてもたくさんの子どもを産むとは思えませんので、人口分布が是正される手段はないと思われます。

日本でも少子高齢化社会に入って社会保障などで矛盾が出てきていますが、それを超えるスピードと規模で中国が高齢化社会に入っていきます。本来の社会主義・共産主義が完成されていれば、社会保障の整備がなされ不安のない社会になっているはずですが、現実には一党独裁政治の上、経済的にも格差が広がっていますので、高齢化がどのような問題を引き起こすのかが興味深いところです。

現在の日本の輸出産業が力を弱めている原因の一つが中国です。EUなどの問題もありますし、アメリカ市場において韓国勢との戦いに敗れているなどの問題もありますが、やはり中国への輸出が減っている事が大きな影響を与えています。

それは、尖閣諸島の問題で日本製品がボイコットされていることも理由の一つではありますが、それ以上に中国国内の景気が減速している事の方が問題です。5年後、10年後には中国の人口問題がもっと大きくなり、全世界への大きなインパクトが与えられるでしょう。その際に日本経済がどのように対応できるか…一緒に沈んでしまわないような対応が必要になるでしょう。