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イマイのコラム
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消費税増税の経過措置
2013/07/30
前回のコラムで、「消費税を本当に上げるのだろうか?」という事を書きました。すると、安倍首相がマニラでの記者会見で「種々の指標を確認して、経済情勢を見極めながら判断する」とのコメントを発表しました。私にとっては「え!増税しないという選択肢もあるの?」という感想です。前述の社長が言ったとおり、景気回復のために増税しないという事もあり得る事がわかりました。

日経新聞の報道によると、毎年1%ずつ上げるのはどうかといった再検証も行なわれるとの事でした。今回の選挙で自民党が大勝したので、原案通り4月に8%、翌年10月には10%というのが、そのまま何の反対もなくすんなり通るのかと思っていましたが、いろんな思惑があるんだろうなと思っています。

今後の動向にもよりますが、来年4月に8%に上がる場合にはいろいろな経過措置が決まっています。例えば、水道・電気・ガスなどの料金については、4月最初の検針までは5%で計算するという事になっています。これは当然だろうなと思います。仮に4月9日に検針があった場合に、3月10日から31日までと4月1日から4月9日までのガス代なんて分ける事は不可能ですから、どちらかに統一しなければ計算できません。

逆に文房具屋さんが20日締めで請求書を作る場合には、3月21日から3月31日までに納品した分と4月1日から4月20日までに納品した分は明確に分ける事ができますので、5%と8%が混在する請求書を作成する事になります。

不思議なのはチケット料金です。JRのチケットでもコンサートチケットでも同じ取扱いですが、例えば5月のゴールデンウィークに旅行に出かけるとか、コンサートに行くとかいう時に、3月中にチケットを購入している場合には5%の税率で、4月以降にチケットを購入した場合には8%の税率になります。

私の中での常識としては、「サービスの提供を受けた日」が4月以降なのかどうかで判断するのだと思っていましたので、これは驚きでした。コンサートでも野球でも乗車券でも、同じ日のサービス提供でもチケット購入日によって税率が変わるのは面白い現象です。このチケットは「映画、演劇、演芸、音楽、スポーツ又は見せ物を不特定かつ多数の者に見せ、又は聴かせる場所への入場料金」が対象になるそうです。(もちろん旅客運賃も対象となります。)

ディナーショーのチケットは「演劇、演芸、音楽を見せるためのチケット」ですので、上記の経過措置が適用されます。しかしディナークルーズのチケットは「飲食の提供」を主目的にしていますので、上記の経過措置は適用されません。税務署のQ&Aにこのようなものがありましたが、税務署の見解としてはディナーショーは「食事目的ではなく公演」であり、ディナークルーズは「運賃ではなく食事が目的」であるという事になります。これは、非常に明確でわかりやすいものです。