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イマイのコラム
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銀二貫
2013/09/02
「銀二貫」(高田郁・幻冬舎時代小説文庫)を読みました。…これはいい!!なんと言っても読みやすいのがいい。又、内容ももちろんいい!

新聞の広告で「大阪で話題の本」みたいな宣伝文句につられて「読んでみようか」と思い立ち、購入しました。今まで読んだ事のない高田郁さんの時代小説だったのですが、読んだ後には人に勧めたくなるほどファンになりました。

あらすじとしては、仇討ちで親を殺され一人になってしまった侍の子を銀二貫で譲り受け、その子どもが商人の丁稚になり成功を収めるという、成功物語であり純愛物語です。一言で言ってしまうとそんな物語ですが、語り口が上手く、人の暖かさが伝わってくる物語となっています。

主人公を育てる主人、和助の一言「始末、才覚、神信心−この三つのうち、どれ一つ欠けたかて店を大きくする事はおろか、保ていく事さえ難しい」…この言葉の通り、火事で焼けた天満宮の再建のために今まで稼いだお金をポンと出す。あるいは、そのお金を寄進するために一生懸命お金を稼ぐという主人や番頭の頑張り方がスゴイと思います。

諸外国では、成功したビジネスマンが教会やボランティア施設に大金を寄付する事はよく知られています。キリスト教徒の基本的な考え方が根底に流れているのだと思っていましたが、昔の日本のビジネス社会においても信仰心が一つの核になっていたんだと知らされました。確かに、商売繁盛のために神社や仏閣にお参りする風習は残っていますので納得できます。

お客様に商品を偽って販売する飲食店、あるいは成功した商品によく似た名前で自社製品を売る飲食店が出てきますが、やはり長続きはしません。そんな商売の基本も教えてくれる「ビジネス書入門」としてもお薦めの一冊です。