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イマイのコラム
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死刑制度について
2018/07/09
西日本に甚大な被害をもたらした大雨が降り始めたころ、麻原彰晃の死刑が執行されました。オウム真理教の他の死刑囚も同時に死刑が執行されたことで、大きなニュースになりました。

私自身は死刑廃止論者ではありませんが、死刑について疑問に思うことが多くあります。まずは人を殺すことを是とするかどうか…確かに極悪非道な犯罪者に対して、極刑が必要との気持ちもわかります。死刑という刑があることによって、犯罪者にとってもある程度の抑止力になるでしょうか?

次に被害者、またはその遺族の気持ち…死刑を執行することによって、気持ちの整理がつけられるのでしょうか?殺された人、または傷つけられた人にとって、その犯人を「殺したい」ほどの気持ちを持つことは理解できます。しかしながら、死刑の執行で決着をつけたことにはならないのではないかと思います。

だけど、死刑の執行がなければ終身刑ということになります。死刑に値する犯罪者を、塀の中とはいえ税金を使って生かしていることは良いことなのでしょうか?何十年もの間、生活の面倒を見ることは是なのでしょうか?

また「えん罪」の可能性も考えなければいけません。オウム真理教についてはその可能性はありませんが、同じ日に地裁判決が出た千葉のベトナム国籍の児童を殺した元保護者会長の裁判では、死刑を求刑されていた後に無期懲役の判決が出ました。

ここで問題だと考えるのは、容疑者が一貫して容疑を否認していることです。状況的には犯人としか思えませんが、万が一犯人ではなかった場合を考えると非常に恐ろしいと思います。死刑判決を出された犯人のほとんどが再審請求をしています。その中で一人でも冤罪であったらと考えると、死刑制度は続けられません。

今回のニュースの中で、犯罪について何も語らないまま死を迎えたことや、何も反省していないことを問題としているコメントも多くあります。確かにその通りです。死刑執行により、反省の機会が失われています。最終的に本当に反省をするのかどうかは何の保証もありませんが、被害者の気持ちを考えると一言でも反省の言葉が欲しいところでしょう。

世界から見ると、死刑を廃止していない国は少なくなっています。日本においても死刑は「存続すべき」という意見もあるでしょうし、「廃止すべき」という意見もあるでしょう。現状では私の意見は定まりませんが、いろいろな意見を知りたいと思います。