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イマイのコラム
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消費税の増税
2019/10/02
消費税が10%にアップしました。個人的には税率アップは仕方ないことだと思っています。法人税や所得税の減税をせざるを得ない国際環境の中、税収を確保するために間接税の強化を図ることは仕方がないことだと思います。

しかしながら、複数税率の導入は間違っていると思います。ちまたではコンビニやファストフード店の「店内飲食か」「持ち帰りか」によって税率が違うことに着目されています。もちろんこれも大変なことではありますが、それ以上に大変なのは会社の経理です。売上を分けなければならないのは当然ですが、これはレジなどで対応することとなります。もっともっと大変なのは、経費の中で10%のものと8%のものを区別して記帳しなければならないことです。

会社の経理担当が支出のうち軽減税率が適用されているものにチェックの印を打ち、会計事務所がそれに間違いがないか確認して消費税計算を行い、税務署がさらにチェックをしないといけないのが複数税率の大変なところです。社会的な労力をコストと考えると、どれだけ膨大なコストが今後かかってくるのでしょうか…。軽減税率で恩恵を受けることがあったとしても、社会的なコストを考えると割に合わないのが複数税率の導入だと考えます。

また、今回は増税に合わせて「キャッシュレス決済でのポイント還元」という施策を打っています。インバウンド消費を考えると、キャッシュレス決済を推進することは良いことだと思います。しかしながら日本でキャッシュレス決済が進まなかった最大の理由は、手数料の高さです。仮に決済額の2%を手数料として支払うこととなれば、単純に粗利が2%減少することになります。粗利での2%は経営的には大きな数字となります。真の意味でのキャッシュレス…すなわち「現金お断り」のお店であれば現金管理が必要なくなりますので大きな合理化を図ることができますが、現在の状況では困難です。

キャッシュレス決済でポイント2%還元では、増税したのがチャラになってしまいます。軽減税率対象の食品を購入しても2%還元を受けられ、中小商店での購入の場合には増税額以上の5%が還元されるとなると、増税した資金がなくなってしまうのではないでしょうか?であれば、9ヶ月増税を延期しても良かったのではないかと思います。

キャッシュレス決済でポイントを還元された人が、そのポイントを使わず無駄にしてしまった場合にはどうなるのでしょうか?個人がポイント5円分をもらうということは、カード会社に政府から5円分のお金が入金されているはずです。個人が5円分のポイントを使わず無駄にする…すなわち商店からカード会社に請求が来ないことになりますから、カード会社は5円分得してしまいます。本来ならば精算されなければならないお金ですが、精算できるのでしょうか?

個人的にはクレジットカードや電子マネーでの支払をすることが多いのでポイント還元はうれしいことですが、増税のタイミングで行うことに疑問を感じています。