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イマイのコラム
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相続対策
2020/9/30
とあるところで知り合った人から、電話で質問を受けました。その方はお父さんを亡くされて土地や建物、預金などを相続したのですが、「相続税の申告は自分で行うので、土地の評価だけ見てもらえないか」というご相談でした。

相続税に関しては、全体を確認しなければ正しいアドバイスができません。土地だけでなく、他の財産の状況や家族の状況をきちんと把握しなければならないからです。また、土地の評価は非常に難しく、現地の確認が大切となります。そのため、相続税の計算の一部のみを行うことはできません。そのような理由でお断りさせていただいたところ、すんなりと受け入れていただけました。

また、相続した土地に関して「アパート経営」を提案されたそうです。確かにアパートを建てることにより、土地の評価が下がると共に借金ができますので、相続税は安くなります。税金のことだけ考えれば、アパートを建てることは有効な対策といえます。しかしながら10年後20年後のことを考えると、老朽化によって修繕費がかかり、空室が出てくるようになります。そうなった場合には、赤字経営になる恐れがあります。

こうなると、自分の給与や生活費からアパート経営の費用を補填しなければなりません。また、莫大な借金がいつ返済できるのかも問題です。アパート経営が黒字のうちに返済が完了すればよいのですが、そうでなければ借金返済まで給与や生活費から補填しなければなりません。これでは生活が破綻してしまいます。

「アパートを建てる」ということは「経営を行う」ということになりますので、「本当に黒字になるのか」「キャッシュフローはどのようになるのか」を計画しなければなりません。そうすると、まず「どこに建てるか」が問題になります。どのような需要があり、競争相手がどうなっているかを考えなければなりません。すなわち、相続を受けた土地がアパート経営に向いている土地なのかどうかが問題となります。

相続税を安くするだけの目的で動くと、後で大変な思いをすることになる可能性があります。自分だけでなく次の世代に問題を残すことになるかもしれませんので、慎重に考える必要があります。