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イマイのコラム
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与党税制大綱
2020/12/11
自民党と公明党による与党税制大綱が発表されました。ラジオのニュースでは固定資産税について中心的に報道されていましたが、確かに目新しい政策はありません。住宅ローン減税やエコカー減税を継続するとか、脱炭素やデジタル化に対する設備投資をすると法人税が軽減されるとか、今まで行っている政策的減税を引き続き行うものが多いです。

今回のコロナ対策で補助金や助成金など大盤振る舞いを行っているため、国として収入を減らすことが難しいのだと想像します。そうでなくても売上減少により法人税の収入は減るでしょうし、給与収入も全体的には減っているので所得税の収入も減るでしょう。個人も法人も消費支出が減っているため、消費税の徴収額も減っているのではないでしょうか?そうすると大きな減税を打ち上げるわけに行かないというのが本当のところでしょう。

個人的に興味を持ったのが、令和4年度に持ち越されたのではありますが、住宅ローン減税について言及したことです。現行の控除率である1%を下回る借入金利で住宅ローンを組んでいる場合に、年間の支払利息以上に所得税が還付され、益税が発生していることを取り上げています。

住宅ローンをネットで調べると、変動金利で0.4%台、10年固定で0.5%台の金利が表示されます。例えば3千万円を25年返済、金利0.5%(10年固定)で借り入れると、1年目の利息総額は147,409円となります。1年後の借入残高は28,870,609円、住宅ローン控除は最大で288,700円を受けることができます。2年目の利息は141,748円、住宅ローン控除は277,300円です。

住宅ローン控除は10年間なので、お金持ちは一括で住宅を購入するより、いったん住宅ローンを組んで10年後に一括返済すれば大きな得をすることができます。お金持ちでなくても、小さい金利で住宅ローンを組むことにより、利息支払額以上の住宅ローン控除を受けることが可能です。ただし、所得が小さいと満額の住宅ローン控除が受けられないこともあるので、必ず得するというわけではありません。

もともと住宅ローン控除は、持ち家を購入することによる消費を促すための政策です。そもそも利息の補助ではないので利率との比較は問題もあると思いますが、超低金利の時代になったため一部の人が得をする結果となってしまったのです。そこにメスが入ることになりました。低金利政策を進めたが故に、今までの政策的減税に手を入れなくてはならなくなった例ですね。