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イマイのコラム
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忖度の意味とがん細胞のひろがり
2021/11/26
11/17の日本経済新聞夕刊に、小説家である温又柔さんの「悪い癖」というコラムが掲載されています。リレー形式で様々な人のコラムを読むことができるこのコーナーが、私は好きです。今回のコラムの中で「『忖度(そんたく)』という日本語に該当する『Vorauseilender Gehorsam』というドイツ語が、日本語に直訳したら『服従を先取りする』であることを思い出す。」という記述に興味を持ちました。

私が忖度という言葉を知ったのは、大まかに月に一度NHKで放送される「今夜も生でさだまさし」という番組です。まだ安倍首相の森友問題が明るみになっていない時で、「日本語にはこんなきれいな言葉があります」という趣旨で紹介されていました。

本来は「他人の意思をおしはかる」という意味であり、忖度をすることは日本人の美徳でした。それが、森友問題から一連の安倍首相をはじめとする、上役に対する問題の隠滅や証拠の抹消を部下が勝手に行うことへの動因という意味になってしまいました。そのため、ネガティブなイメージがこの言葉についてしまいました。「忖度」が「服従を先取りする」ことと意訳されるのは現代的であり、面白いと思います。

また、同日の同夕刊で東京大学特任教授 中川恵一医師の「がん社会を診る」というコラムが掲載されています。コロナの影響でがん検診を控える人が多く、そのため初期のがんの発見が少なくなっている…これはがんの進行から考えると大変なことです。

今回のコラムでは、がんの進行についてわかりやすい説明がありました。がんはたった1つの「不死細胞」が分裂を繰り返して成長し、専門家でも1センチくらいにならないと発見でない。この1センチのがんには10億個のがん細胞が詰まっている。10億はほぼ2の30乗なので、1つの「不死細胞」が30回細胞分裂を繰り返したことになる。これが、この後3回の細胞分裂によって2センチの大きさになる。だから、10年から20年かけて1センチの大きさになったがん細胞は、その後1〜2年で2センチの大きさになる。

…以上がこのコラムの要旨です。早期発見によりがんが治せる理由はそこにあるんだと、深く納得しました。がん細胞は治療しないと一気に広がる…ということが論理的に理解できました。こういった内容のコラムだけでも、新聞を読む意味があると思います。